2009年5月26日火曜日

一周目。二周目。

職業的に世の中に流れている音楽を耳にする時、
冷静に判断を下している人格が、脳内に居ます。
一時期は物凄く悩まされたのですが、最近はすっかり大人しくなって、
上手に共棲出来ている感じ。


昔から井野君と話しをする時、その話題がモノや作品、
またはそれらの創り手の話になると、「一周目か?二周目か?」
といった評価をしている事が多い。

上手く説明出来ないのだけど、一周目というのは素人さんや若手といった
浅い経験の人を指すのではなく、対象となる作品や表現において
自分が好きだ、と思えることをやり通している人を指す。
対して、二周目の人は自分の作品や表現において、
自分自身を客観的に見つめられる人を指す。
うーん、なんか違うな。難しい。
別にどちらが優れた表現をしているか、って話ではないです。
性格を大きく二つに分けたらどっち?みたいな。
もちろん、どちらの性格も皆持っているのは前提で。


音楽家で例えるなら矢野顕子は一周目で、坂本龍一は二周目。
芸人で例えるなら明石さんまは一周目で、劇団ひとりは二周目。
パスタで例えるとナポリタンは一周目で、プッタネスカは二周目。
・・・いや、勝手に決め付けて済みません。異論は大いに認めます。


前者は天才的、後者はアーティスティック、稀にアカデミックと言われる感じ。
僕はどちらかと言うと、後者だったのかなぁと。
で、それが気付いてみたら前者になりかけている、と。

あ、俺天才!って話でもないですよ。念の為・笑

何と言うか、常に自分の作品や演奏、スタンスに対してまで、
冷静に見つめているもう一人の自分が居たのですね。
勿論、誰でも自分の中に客観性を持った人格がいるでしょうけど、
僕はその人格に決定権をかなりの割合で委ねてしまっていた気がします。
自分の書く曲や演奏に対して、結構冷静な視点で判断を下すから、
基本的に減算式なわけです。そしていつも「これでいいのか?」って
自問自答を繰り返していた感じ。
「これだ!」と自分でも思った作品が完成しても、「理解されないだろうなぁ」
って思っちゃう。

そんな視点でお笑いや映画を観ても、心底楽しめないんですよねー。
このネタ、別の番組で見た時はキレがあったのにな、とか考えるわけです。
・・・厄介な客だなぁ。
経験上、表現者も受け手も二周目同士だと、大抵は悪い評価になります・笑。


最近曲を書く時、すっかりこの人格が顔を出さないのです。何故だか。
仕事のし易い環境というのもあるけれど、書きたいモノが書けているというか。
自分の壁は感じるけれど、確かに自分の心が動く曲になっているというのか。
おまけに涙脆くなってるし・笑。
作家としては、何だかとても楽な気がします。
出すもの出し切ってから落ち込めば良いのよね。
出すか、出さざるべきか、で悩むのは大きな成長に繋がらない。
Let's ポジティブシンキング。
悩みや不幸があっても、うわー、俺ってネガティブー!と叫べば、あら不思議。
マイナスとマイナスが掛け合わさってプラスになります。お試しあれ。


ふと思った。
もしかして、これって年のせい・・・?
これ以上は辞めておこう。


ちなみに、カツ丼は一周目で天丼は二周目。
アクエリアスは一周目でポカリは二周目なのです。


やっぱよくわからん。


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