2009年4月17日金曜日

大人観察

あんたも十分大人でしょ・・・という突っ込みはこの際無視するとして。

僕の尊敬する方の中でも、取分け素晴らしい方々を五十音順に3人。
まだまだ沢山いるけれど、特に、と思う方々をチョイス。


エンジニア井野君

出会ったのが20歳かその辺りなので、かれこれもう13年の付き合い。
今の僕をここまで導いてくれた、最も身近で最も信頼出来る存在です。
興味ある事や、改善余地のある事柄に対して様々な投資を惜しまない姿勢や、
現場でのトラブル回避能力は、未だに関心させられる。
まだまだ彼から学ぶ事は多い。
書き掛けの音源を聴かせて褒められると、未だに嬉しかったりする。
生音もエレクトロもいける、引き出しの多さと探究心は、
日々行われる他愛も無い会話の断片にも感じ取る事が出来る。

何よりも、ある程度引き出しとして確立されているであろうワークフローを過信せず、
より良い作品に仕上げる為模索を続ける姿勢は、音楽を一緒に作る仲間として頼もしい。
僕も負けじと次に聴かせる曲も、お?っと思わせられる様に、
日々感性や技術を磨く糧となっている気がするなぁ。
ある意味、彼の心を動かす曲が書けなくなったら引退なのかなーと・笑。

昔から大人だなぁと思わされる事が多々ありつつも、味覚が子供なのがお茶目。
最近売れっ子過ぎて、中々遊んでくれないんだけどさ。
だからこそ、電話や会った時の会話が充実していて良いのだけど。


SCE/SMP菊地さん

お仕事を最初にご一緒したのは2008年の春だったので、比較的最近の出会いです。
数年前、事務所でマネージャとの打ち合わせ中、突然事務所にいらして初顔合わせ。
その時、たまたま持ち合わせていた自分の音源を手渡したのが縁。
それが現在PlayStation本体に搭載されているPhotoGalleryの元曲となっているという、
なんとも不思議な出会い。
自分が渡した事すら忘れ掛けていた古い音源だったのですが、PhotoGalleryの打合せで
SCE本社に伺ったところ、その音源から数曲が開発用のPS3に入っていたのに驚きました。

書きたい事は山程あるのだけど、それは追々書いていくだろうし。
とにかく、菊地さんの現場は楽しい。
そして、良い作品が次々に生まれる。
一番印象に残っているのは、「作家の第一稿を最も信頼している」という言葉。
とても考えさせられる意見だなぁ、と。

菊地さんの判断基準って、右か左か、マルかバツか、ではなくて、
相対的(?)とでも言うのかな。非常に公平なジャッジをしてくれるんですね。
オーダー通りの作品を書いてきたかどうか(作家として厳守する事は当然だけど)、といった
単純なジャッジではなく、オーダーした側が考えていた音楽よりも、より良いモノが
書かれた場合にはそちらを迷わず選択する決断力と判断力が群を抜いている。

先の言葉を聞いた時、一曲目が駄目だった場合ってどう考えるのですか?という質問に、
「そんなのプロデューサの人選ミスだから僕が責任負うよ」と仰っていた。
中々言える言葉ではないですよ、今の世の中。
大きなプロジェクトとなれば、莫大な予算を抱えつつ人選されているわけで、
そこで駄目な時は自分の責任と言い切れる人は中々いません。
だからこそ、自分の携わる仕事、現場、作品全てに責任と自信をもって取り組もう!
と思うわけですよね。
菊地さんに出会わなければ、この意識改革が自分に芽生えるのは、
随分先の話だったのではないか、と思います。
何にせよ、一つ一つの仕事で成長出来ている実感を感じる現場を与えて下さる事に感謝。


ヴァイオリニスト 中西俊博さん

もう自分の口から説明が不要なお方。世界を代表するスーパーヴァイオリニスト。
演奏、作曲、編曲、人柄、どれを取っても素晴らしい方です。
大学在籍中から、数々の現場でご一緒させて頂いているので、
一緒に制作した楽曲は軽く3桁を超えます。

とにかく練習の鬼で、ここまでの演奏力と表現力を持ちながら、
日々練習方法を考える姿勢は井野君と通じるものがあるなぁ。
ご自宅で、いつも作曲なさる際、傍らでサポートさせて頂くのですが、
ほんとに音楽の神様が降りてくる瞬間を見れるんですよ。
というか、降りっぱなし。
これだけ神様を独り占めしていたら、そりゃ僕のところに降りてくる暇が
ないのも頷けるなーと・笑。
作曲のテクニック盗んでやるぜ、へっへっへ。なーんて裏心丸出しで
現場に入るのですが、全然盗めないんですね、うーん謎。
音楽に対する反応速度が鬼早いのが原因なのでしょうけど。

一つの旋律を書くのに神様~神様~とやって、やっと書ける僕に対して、
数ある旋律からどれを選ぶか悩む中西さん。
根本的に違う気がします。
いつか追いつこうと、日々地面を転がりまくって足掻いているわけですが、
自分が少し成長したと思うと、更に先に行かれている気がするんですね。
一生縮まらない距離なんだろうなーと思うわけですが、
そもそも自分と中西さんを同列に考える事が間違いか。
ファンの皆様、ごめんなさい。
身長だけは負けないぜ。へっへっへ。


とまぁ、意味もなく身の回りにいる尊敬する方について書いた訳だけども、
3人とも共通する点が多い事に気付く。


長くなったので、続きはまた次回。




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