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2010年1月17日日曜日

red dot design award 2009を受賞しました。

Playstation3本体に入っている「フォトギャラリー」が、ドイツのred dot design award 2009にて大賞を受賞致しました。
作品では、メインテーマ曲とBGM5曲を担当させて頂いております。

最初の打合せで、「インテリアの様な音楽」「変化や展開はあるけれど、それを気付かせない程度に」「海外から見た東京」といったようなオーダーがあり、今思うとこの時意見を交換し合ったことがそのまま表現されて、評価を頂いたように思います。
音楽に合わせて効果音が変ったり、映像に変化が出たり、その変化にまた触発されたり。
創作を通してのキャッチボール、とても楽しかったな〜。

メインテーマは、実は色々な要素を含めていてPS3本体に電源を入れる場合、人によって時間や季節、国が違ってくるので、朝に聴いても夜に聴いても違和感なく受け入れて頂ける様な楽曲を心掛けました。また写真が主役なので、表示される写真もまた、人によって変ってくるため、音楽での主張は最低限に留めています。美術館とか空港も、時間や季節、国を忘れてしまうような、万国共通の空間だなぁと思います。

音楽のプロデュースは「AFRICA」「バイオハザード5」「白騎士物語」その他、現在も公表できないプロジェクトをいくつかご一緒させて頂いている菊地さん。
サウンドディレクション&サウンドデザインは「ICO」「ワンダと巨像」などでサウンドデザインを担当された北原さん。
エンジニアは僕の作品を、ほぼ全部mixしてくれている井野君。最近だと「けいおん!」とか。それ以外に現在も色々と公表出来ないタイトルのmixをお願いしています。

チームワークで頂いた賞でした。
最初から着地地点が決まっていて、それが最後までブレなかったプロジェクトという印象。
これって、結構難しいことだと思うのですが、チームワークが素晴らしかった。
別のお仕事で壁に当たった時、当時の会話やメールの内容を見直すことで、未だにヒントを頂くことがあるんです。創作する為の目的というか、そんな感じのもの。
素晴らしいプロジェクトに参加することが出来て、とても嬉しく思います。

有り難う御座いました。
今年も面白いこと、沢山やりましょう!!

2009年8月21日金曜日

箱根彫刻の森美術館

箱根彫刻の森美術館Webサイトのコンテンツ「ハナさんとコウちゃん」の
音楽を担当しています。

遊べる絵本形式になっております。
淡くて優しい、ちょっと不思議なおはなしです。
ぜひ、お子様と一緒にご覧下さい。

ハナさんとコウちゃん

2009年8月5日水曜日

始まりの開始がスタート

昨日より新たなプロジェクトが始動しています。
クライアントの方々と第一回目の打ち合わせだったのですが、
これがとてもユニークで面白い!

毎度の事ながら、まだまだ詳細はお話出来ないのですが、
手渡された資料がとても変っていて、恐らく音楽のお仕事上、
いや、他分野での中でも類を見ない資料じゃないのかな、これは。
変っているけど非常に解りやすく的確な資料になっていて、
こんな視点で物事を捉えている思考の柔軟さに驚いた。

いきなりこの打ち合わせに出席したら、難解すぎるパズルのようで
頭が混乱していたと思うけれど、今回も素晴らしいディレクションのお陰で
理解度も早かった。
監督さんと作家の間に入って通訳して下さる方の存在は偉大だなぁ、ほんと。
行き先や手段の指示、時には潤滑油にもなって頂けて、長い航海も安心出来るんですね。

音楽の制作方法もかなり特殊な試みで、とても斬新な手法になりそうなので、
機会があればこれにも触れます(2年後くらいカナ・・・?)。
当然ながら、これまでの制作方法とは異なるので、
音符を書き始める前に入念な設計図(構成図)を書き上げてから楽曲に着手。
この設計図だけを作るのに4時間くらい掛かったものだから、
実際に音が鳴り始めたのが日付変更後とかになりました。

設計図をあれこれ考えているのと平行して、音楽的なアプローチやフレーズも
並行してメモしていたので、音を鳴らし始めてからはとても早かった感じ。
既に全体を通しての音楽的な骨組みは完成したので、今日からは
音楽的な肉付けと関連付けを丁寧に書き上げて行こうと思います。
これが一番大変で時間も掛かるのだけど、最も楽しい作業でもあるんですね。

音楽は、ある意味完成された理屈なのだと思うけど、
それ以上に感性に委ねる部分が大きいものだから辞められない。


今日も良い曲書けますように。
そしていつの日か、これらの楽曲が皆様の心に響きますように。


いつも心に音楽を。


2009年8月3日月曜日

ココロスイッチ

夏真っ盛り、如何お過ごしですか?
週末は中学時代の同窓会の為、数年ぶりに帰省。
旧友や、ずっと会いたかった方とも再開出来て良かった。
15年もあれば、人生大きく変わるものですね。
皆、家庭を持って頑張っている話を聞くと、
まだまだ僕は自分自身のことだけで精一杯。
勉強と研究、練習に仕事、とやること山積みだものな。

最近、仕事関係の方々との歩調が合ってきた感があるので、
(ようやく追いついた、と言うべきか)このペースに付いて行かないと・笑
結局は自己マネジメントをシンプルに、日々継続させていく事なのだろうけど。

さて、明日から大きなプロジェクトがいよいよ始動です。
一年半近く、色々な現場をご一緒させて頂いた方々との現場だけど、
各々新たな経験と新たなアイデアがあるようで、この上ないベストなタイミング。
劇伴のお仕事は完全にチームでのプロセスなので、チーム全体の成長が感じられて、
すぐに作品に反映されていく様が大好きです。
新たな試みがあると、それ以前の楽曲を全部直したくなる弊害もあるんだけどさ・笑
この試行錯誤と成長の螺旋がたまらなく楽しいのですね。

嵐の前の静けさとも言える本日最後のオフ日は、頭を空っぽにして、
料理に使う為の魚介と野菜のブロード作り。
パスタにもリゾットにも、スープにもなるから便利。
朝から暫くの間ゆっくり食事する時間は無くなるけど、
出前やお弁当だと頭が切り替わらないので、それぞれ2Lずつストック用に。


作業環境もほぼ完成した。
肩凝り、腰痛対策にハーマンミラーの椅子も買った。
長年愛用している五線紙のタブレットと鉛筆も用意した。


準備万端、既にココロスイッチは切替済み。
いつでもこーい!


2009年8月2日日曜日

本日より。

本日8/2より、映画「南極料理人」が上映開始となりました。

劇中で数曲担当しています。
プロデューサーはソニーの菊地さん。エンジニアは井野君。
バイオリンは武藤宏樹さんに弾いて頂いて感激でした!
いつもの方々だったので現場もとてもスムーズでした。
毎回助けて頂いて感謝です。

どんなときも、
おいしいものを食べたら元気になれる。

うんうん、その通り。
とてもハートフルで温かいお話です。
是非、劇場でご覧になって下さいね!



2009年5月18日月曜日

朝帰り

昨日のスタジオは結局朝までの作業となり、帰宅したのが朝6時過ぎ。

完成したばかりの作品を何度も繰り返し聴いているうちに、
気付いたら朝8時前。
何回聴いたんだろ。。。笑

素晴らしい演奏をして下さった武藤Stringsの方々。
何度となく監督さんとのやりとりの橋渡し、様々なデータの用意を頂いた
SCEサウンドチームの伊藤さん。
そして全ての関係者、スタジオ、その他打合せなどのスケジュールを
細かく管理してくれたマネージャの根木さん。

今回の素晴らしい現場を与えて下さったSCEの菊地さん。
最後の最後まで的確なディレクションをして頂き、御陰さまで
自分の作品中でもベストな仕上がりとなりました。

最後に過密スケジュールの中、仕込み、録音、Mixまで携わってくれた井野君。
10年前に出会ったスタジオで、今回は自分達の現場として一緒に仕事が出来ている事、
ちょっと不思議に思います。
お互いにまた一つ新たな発見をして、今後の制作での大きなヒントを得た感じ。

いやー、本当に楽しいスタジオでした。
皆様、お疲れ様でした!






左手奥からエンジニアの井野君。マネージャの根木さん。僕。
左手手前からSCEの伊藤さん、菊地さん。

時計の時刻は午前です・笑。


ハッ!指揮してるところ写真撮って貰えばヨカッタヨー。



2009年5月15日金曜日

明日のスタジオ

明日はいよいよ、先月から書いていた劇伴のレコーディングです。
この業界に入って、早10年。
色々な現場に色々な形で携わって来たけれど、
未だにスタジオの前日は興奮して寝付けません。

そこに出入りする人は、皆一つのモノを作る為に仕事を任された
プロの方々。
その方々の力を貸して頂いて曲が完成していきます。
作業プロセスや会話のどこを取っても無駄が無く、
「良いモノを創る」という目的に向かって全員がパフォーマンスを
発揮していく緊張感と、作品が完成した時の達成感が
たまらなく好きだ。

既に明日分の作業は、ほぼ完了していて、
目を閉じると明日には現実になっているであろう光景が、
ハッキリと目に浮かぶ。
明日のスタジオは、きっと大成功だろうな。
その日の為に、何度も譜面とデータを作り直し、
スタッフとのミーティングを重ね、色々な方々の力を借りて
迎える日なのだから、成功しない理由が見当たらない。

いつ頃までだったか、スタジオに入る前日は楽しみである反面、
今回が最後になりませんように、と何かに願っていたのを
ふと思い出した。
考えてみたら、ここ数年、そんな事思わなくなったな。

クライアントの方からOK頂くのは最低限のラインとして、
その先の、本来の目的であるリスナーの方々が喜んで頂けて、
更には自分でも満足のいく作品にするのはとても大変だけど、
どれか一つが欠けてもプロではなく、音楽家ですらもなくなる。

自分とクライアントだけが納得して、リスナーの方々を素人呼ばわりするのは
言い訳による逃げだな、と最近思います。
そうならぬよう、日々ベストなパフォーマンスを発揮出来るように
したいものです。

こんなにも素晴らしい環境で仕事をさせて下さるクライアント、
事務所にありがとう。
いつも素晴らしい演奏をして下さるプレイヤーの方にありがとう。
音楽の道を教えてくれた母にありがとう。


さて、指揮の練習しないと!


2009年5月12日火曜日

一山超えて、また一山

先月末から携わっているお仕事がいよいよ山場を迎えました。
連日サウンドスタッフの方々も休日出勤、会社に泊まりこみ体制で
曲のデータを待ってくれていたり。
本当に頭が下がります。
チーム一体となって作品を創る事のモチベーションが、
全く下がる気配がありません。
これは凄い事ですよね、本当に。

「書けたら夜の10時とか、自宅まで聴きに行こうか?」

って言って下さるクライアントなんてかつて無いもんなぁ。
思わず「だ、だいじょうぶです!」なーんて言っちゃったけど、
電話越しに感動してしまった。
クライアントと作家という関係を超えた、信頼関係が築けた瞬間でした。
期待を裏切らないよう、日々是精進で御座います。


結局、作業が終わったのが朝4時過ぎ。
ちょっと興奮気味だったので、勢いで新しく頂いたお仕事の曲も書く事に。
これまた詳細が発表になっていないので詳しくは書けませんけど、
今年公開予定の映画に向けて、数曲オケアレンジのお話を頂きました。
残念ながらこれはオリジナルの作品ではなく、クラシックの既存曲を
アレンジする事になりそうですけど。
事務所で頂いた資料に目を通すと、ワーグナーの大作が・・・。
100人規模のオーケストラを書くの!?
うーむ、ワーグナーチューバとか音出せないぞー。

いよいよ作業環境を考えないと、大規模な曲の作業が困難ですね。
次期MacOSが出れば一気に環境整いそうなのですが、こればかりはどうしてもね。
64bitOSの恩恵を受けるべく、Windowsマシンでも専用に作ろうかな、と
考え始めました。
Macをマスターにして、Logicの環境はそのまま、Viennaの演算処理とメモリ、
ディスクアクセスの分散が主な狙いです。

単純に今の編成の倍は出音を稼げるので、とても効果がありそうです。
予算も10万と必要無いでしょう。ハープ単体の音出すのに12万とか出していたから
なんか安く感じます。。。いかんいかん。
とは言え、出音の数って音楽の質にはそれ程影響しないよなぁ。
ピアノ曲とオーケストラ曲、使用している楽器数が多いオーケストラ曲の方が
より音楽に感動するか、と言われたらそんなこと無いもんね。
沢山音を出す事よりも、よい旋律、意味のあるアレンジを突き詰めるべき、
ということでしょう。

高校時代、練習室の扉を全部開け放って、クラスメート4人で同じ曲を弾いたのを思い出した。
4倍デカイ音が鳴るんだろうな!と期待していたのだけど、
結果は1台と然程変わりが無く聴こえる結果に。
相対的な音量差を聴き比べないと判別がつかないんだろうね。
アレンジをする時のダイナミクスを決めるコツも、ココにある気がします。

スイカに振る塩とか、酢豚に入っているパイナップルとか、
いつもツンツンしているあの子が急にデレっとしてくることにトキメクとか、
きっとそういうことだよ。


・・・だぞ?



2009年4月21日火曜日

続 大人観察

何だか仕事が慌ただしくなって来ました。
立て続けにスタジオが入りそうで楽しくなりそうです。
未だにスタジオの前日って寝付けないんですよ、ほんと。

さてさて前回の続き。

今の自分に、特に影響を与えてくれる方を紹介した訳だけど、
書いているうちに、ある共通点に気付く。

1.判断基準が相対的
2.切り替えが早い
3.多趣味

以上3つ。
まだまだ細かな部分はあるけど、どれも上記3つで説明出来るな、と。

まず1つ目。
判断基準が相対的とはどういった意味か。
例えば、とある映画を観て評価をする場合。
自分の思い通りなエンディングにならなかったり、お気に入りの役者の配役が気に入らなかった場合、
「つまらない映画」と判断してしまうこと。これは間違った相対的評価と思う。
この場合、音楽も耳に入っていないケースが多い気がします。もったいなーい。

映画やアニメ、ドラマ、ゲーム、CM、勿論音楽も、様々な人が関わって完成するもの。
そこに自分の主観や趣味、思い入れを重ねると見えなくなるモノが多い気がする。
それを持たずに、しっかりと脚本を楽しみ、演技に感嘆し、音楽に酔える人の評価って
何かの発見をさせてくれるます。

逆に自分はビートルズが好き!だからこの業界に入った。
でも最近の流行りの音楽には興味ないし、面白みも感じない。
と、平気で言う人業界にはいる。かなりいる。
結果としてその人のジャッジは簡単な事で揺らぐ。
提示された作品ですら揺らぐ訳だから、制作途中のオーダーは先が見えない。
何をしたら成功で、何をしたら失敗なのか解らない。
結果、安全牌を数点用意して選んで貰う。
コンペとかってそもそもディレクターの怠慢だよなぁと思う。
要するに、何を作ったらいいのか解らないのでアイデア下さいっていう、
才能の借金をしていると思うわけ。
ちょっと辛口でした。コンペ大好きなんだけどね!めちゃくちゃ勉強になるし。

何だっけ、共通点の話でした。

2つ目。
仕事は仕事、休みは休み、趣味は趣味。
良いアイデアは認め、悪い所は何が悪いか指摘する。
結果として色々な反応がとても早くなる。
曲を朝方までかけて書き、データを送って寝ると、物凄く早く返事をくれる。
何が生まれたのか楽しみにしてくれているのだなぁと、感じる。
幸い、その逆の事例ってあまり無いのですけどね。自分の場合。

3つ目。
皆さん、物凄く多趣味・笑。
井野君は、スタジオ終わってその足で釣りに出掛ける程釣りが好き。
菊地さんはSaxを吹く。しかも僕よりも沢山録音機材持ち。
本の読む数、映画の鑑賞数も物凄い。
中西さんはご自宅を自分で設計してしまう程、建築が好き。
インテリアも素敵だし、車のエンジンの部品がどうの、といった話も出来る。
あ、みんなとてもグルメ!これ大事。

結局、世の中に溢れる楽しいモノを真剣に追い掛けていて、
その過程で得たアイデアや経験を今の仕事や作品に活かしているのだね。
色々な所で起こっている面白い事に対して、自分の主観で判断をしない。
だから知名度や経歴、学歴、年齢などが判断材料にならない。
特に音楽なんて、数百年前に完成しているものだし、流行り廃りなんて無い。
古くからある技法も、最近発見された技法も、どちらも流動的に取り入れること。
人間関係も同じです。まだまだ年配の方から教わる事もあれば、
同年代、若い世代から学ぶ事も多い。


以上、色々と思った事を書きました。


こう考えると、日本のスタジオ業界って物凄く閉鎖的だなぁ。
作曲の方法なんて教わった事ないし、情報交換すらした記憶がない。
中西さんの背中は見てましたけどネ!えっへっへ。
作曲技法やMix技法なんて企業秘密に出来るものって無いんじゃない?
そもそも完成した作品聴いたら手のうちバレますって。
それよりも情報共有して、より文化的に充実した環境を作っていく方が
自分への還元も多いと思うのですよ。

そんなこんなで、7月〜8月から都内某所にてワークショップというか、
勉強会というか、飲み会前の遊び(?)をやろうということに。
その為に数点楽曲を書き下ろして、色々と実験と遊びを交えて
各々のレベルアップを計りたいな、と。


まだまだ勉強させて頂きまっせ!
最近楽しんでるなぁ、色々と。良い傾向です。


それではまた!



2009年4月17日金曜日

大人観察

あんたも十分大人でしょ・・・という突っ込みはこの際無視するとして。

僕の尊敬する方の中でも、取分け素晴らしい方々を五十音順に3人。
まだまだ沢山いるけれど、特に、と思う方々をチョイス。


エンジニア井野君

出会ったのが20歳かその辺りなので、かれこれもう13年の付き合い。
今の僕をここまで導いてくれた、最も身近で最も信頼出来る存在です。
興味ある事や、改善余地のある事柄に対して様々な投資を惜しまない姿勢や、
現場でのトラブル回避能力は、未だに関心させられる。
まだまだ彼から学ぶ事は多い。
書き掛けの音源を聴かせて褒められると、未だに嬉しかったりする。
生音もエレクトロもいける、引き出しの多さと探究心は、
日々行われる他愛も無い会話の断片にも感じ取る事が出来る。

何よりも、ある程度引き出しとして確立されているであろうワークフローを過信せず、
より良い作品に仕上げる為模索を続ける姿勢は、音楽を一緒に作る仲間として頼もしい。
僕も負けじと次に聴かせる曲も、お?っと思わせられる様に、
日々感性や技術を磨く糧となっている気がするなぁ。
ある意味、彼の心を動かす曲が書けなくなったら引退なのかなーと・笑。

昔から大人だなぁと思わされる事が多々ありつつも、味覚が子供なのがお茶目。
最近売れっ子過ぎて、中々遊んでくれないんだけどさ。
だからこそ、電話や会った時の会話が充実していて良いのだけど。


SCE/SMP菊地さん

お仕事を最初にご一緒したのは2008年の春だったので、比較的最近の出会いです。
数年前、事務所でマネージャとの打ち合わせ中、突然事務所にいらして初顔合わせ。
その時、たまたま持ち合わせていた自分の音源を手渡したのが縁。
それが現在PlayStation本体に搭載されているPhotoGalleryの元曲となっているという、
なんとも不思議な出会い。
自分が渡した事すら忘れ掛けていた古い音源だったのですが、PhotoGalleryの打合せで
SCE本社に伺ったところ、その音源から数曲が開発用のPS3に入っていたのに驚きました。

書きたい事は山程あるのだけど、それは追々書いていくだろうし。
とにかく、菊地さんの現場は楽しい。
そして、良い作品が次々に生まれる。
一番印象に残っているのは、「作家の第一稿を最も信頼している」という言葉。
とても考えさせられる意見だなぁ、と。

菊地さんの判断基準って、右か左か、マルかバツか、ではなくて、
相対的(?)とでも言うのかな。非常に公平なジャッジをしてくれるんですね。
オーダー通りの作品を書いてきたかどうか(作家として厳守する事は当然だけど)、といった
単純なジャッジではなく、オーダーした側が考えていた音楽よりも、より良いモノが
書かれた場合にはそちらを迷わず選択する決断力と判断力が群を抜いている。

先の言葉を聞いた時、一曲目が駄目だった場合ってどう考えるのですか?という質問に、
「そんなのプロデューサの人選ミスだから僕が責任負うよ」と仰っていた。
中々言える言葉ではないですよ、今の世の中。
大きなプロジェクトとなれば、莫大な予算を抱えつつ人選されているわけで、
そこで駄目な時は自分の責任と言い切れる人は中々いません。
だからこそ、自分の携わる仕事、現場、作品全てに責任と自信をもって取り組もう!
と思うわけですよね。
菊地さんに出会わなければ、この意識改革が自分に芽生えるのは、
随分先の話だったのではないか、と思います。
何にせよ、一つ一つの仕事で成長出来ている実感を感じる現場を与えて下さる事に感謝。


ヴァイオリニスト 中西俊博さん

もう自分の口から説明が不要なお方。世界を代表するスーパーヴァイオリニスト。
演奏、作曲、編曲、人柄、どれを取っても素晴らしい方です。
大学在籍中から、数々の現場でご一緒させて頂いているので、
一緒に制作した楽曲は軽く3桁を超えます。

とにかく練習の鬼で、ここまでの演奏力と表現力を持ちながら、
日々練習方法を考える姿勢は井野君と通じるものがあるなぁ。
ご自宅で、いつも作曲なさる際、傍らでサポートさせて頂くのですが、
ほんとに音楽の神様が降りてくる瞬間を見れるんですよ。
というか、降りっぱなし。
これだけ神様を独り占めしていたら、そりゃ僕のところに降りてくる暇が
ないのも頷けるなーと・笑。
作曲のテクニック盗んでやるぜ、へっへっへ。なーんて裏心丸出しで
現場に入るのですが、全然盗めないんですね、うーん謎。
音楽に対する反応速度が鬼早いのが原因なのでしょうけど。

一つの旋律を書くのに神様~神様~とやって、やっと書ける僕に対して、
数ある旋律からどれを選ぶか悩む中西さん。
根本的に違う気がします。
いつか追いつこうと、日々地面を転がりまくって足掻いているわけですが、
自分が少し成長したと思うと、更に先に行かれている気がするんですね。
一生縮まらない距離なんだろうなーと思うわけですが、
そもそも自分と中西さんを同列に考える事が間違いか。
ファンの皆様、ごめんなさい。
身長だけは負けないぜ。へっへっへ。


とまぁ、意味もなく身の回りにいる尊敬する方について書いた訳だけども、
3人とも共通する点が多い事に気付く。


長くなったので、続きはまた次回。




2009年4月13日月曜日

メロと主題

先日から書いていたスコアを書き上げ、Logicで打ち込み終えました。
打ち込みが故、音楽としての呼吸や流れを細部までコントロール出来ないのが
もどかしいですが、デモテープとしては満足の行く出来になったと思っています。

さて、ここ最近映画音楽を聴きまくっているのですが、ちょっとした事に気付いたんです。
それは「主旋律」の扱いが国内と国外の音楽において、明確な違いがあるような
気がする、ということ。
どちらも「メロディ」という言葉で共通はしていると思うのだけど、海外だと旋律が「主題」となって、
様々なバリエーションを持ち、声部や曲のバリエーションとして継承されていきます。
文字通り、その作品の「テーマ」となる旋律という扱いですね。
しかしながら国内に目を向けると、「メロ」という、国内の音楽にのみ通用するであろう、
独特なモノになる場合が多い気がします。

この「メロ」という旋律は、「主題」としての顔よりも、
「キャラクター」としての顔を強調する事に趣きが置かれている気がするなぁ、というお話。
言葉で説明するのが難しいけれど、歌メロに近い、個性の強い旋律とでも言うのかな。
勿論作曲家たる者、良い旋律を書く事は当然だけど、例えば映画やドラマで流れる
劇伴では、半数以上はここで言う「メロ」って必要ない気がするんだよなぁ。
以前の仕事で提出した曲、全てに「メロが云々」と言われた事があって、
化け物に追われるシーンでメロって必要かー??とか思ったのですね。
メロ、というより旋律がイメージされているモノと違うんだろうな、と解釈して、
別のフレーズを考えて提示したらOKが出たので、多分そういうことなんだろうと。

部屋に入ったら不気味な感じがする、とか、神秘的な場所を連想させる、とか、
何かに追われる、といった場面に音楽を付ける場合、個人的に音楽に台詞(メロ)は
不要と思っています。場合にもよるけど。
悲しいとか、愛おしいとか、幸せだとか、内面から来る感情的な描写に対しては、
メロ的なアプローチは有効だと思いますけど。

というか、国民性なんでしょうね。こういったキャラクター付けって感性は。
漫画やアニメ、ドラマやゲームといった仕事で携わるコンテンツを見渡してみても、
やたら登場人物に関する説明描写が多い気がする。
この人の性格はこうで、敵は誰で、武器はこれで、必殺技はこれですよ、みたいな。
アメリカの作品って前置きはあるとしても、劇中での説明って殆どない気がする。
全部細部まで作りこんで、それを見せたり効果的に使う事で間接的に説明しているんだね。
間違ってもライトセーバー振り回しながら「なんちゃらウェーブ!」だとか、
コウモリの形した車に乗り込んだ時に「GO!バットモービル!」だとか、
蜘蛛男が手から網を出しても「この網は重さ5tにも耐える強度だ!」だとかは言わない。
このへん、見せ方や世界観の創り方がうまいなぁ。
だからこそ、緊張感や緊迫感のある感じの音を充てるだけで効果が出るんだろうけど。

こうして考えるとオーケストレーションの考えも変わってきた気がします。
まだまだ主題や主旋律に対しての解釈が甘いし、無駄にフレーズや楽器を重ね過ぎている。
足し算で音楽を作るのは(料理や建築、デザイン全般もそうですね)簡単だけど、
引き算でアレンジをしていくのは非常に難しい。
加えて旋律の前後に関連性があり、且つ音楽的な繋がりを持たせようとすると、
途端に高度なパズルになってきます。
しかも答え(?)が無限にあるものだから、悩む訳でして。
楽しいんだけどさ、それ以上に。

昨年から一緒にお仕事させて頂いているディレクターさんは、
この辺りの意見交換が行えるのでとても満足いく仕上がりの作品が多い気がします。
だからこそ、曲書き、研究、勉強を積み重ねて次のステップに進まなくてはいけません。

などと真面目な考察を書いていた時間に、そのディレクターさんはバーベキュー大会だったとか。
くそう!青空の下でお肉食べたいなぁ。。。
でも、お陰様で良い曲に仕上がりましたよ、と言葉を濁しつつ、いつもご馳走になってばかりで
済みません、というお礼(お詫び?)。
次回開催時は是非ともお誘い下さい。
青空の下で譜面に鉛筆を走らせつつ、お肉とビール。
ここで名曲が生まれようものなら、今迄の積み重ねてきたモノが根幹から揺らぎそうで怖い・笑。
結局お酒パワー?みたいな。あ、因みに下戸です。

さて、注文していたとある映画のスコアが入荷したらしいので、取りに行ってきます。
気になっていた曲がどうなっているのか。
耳である程度は追えるけど、スコアからしか追えない情報もあるのです。
文字通り、宝の山なのでとっても楽しみ。


晩御飯はお肉にしよう:)
それではまた。



2009年4月10日金曜日

ペンダコ

ここのとこ一週間ばかり、曲書きの為に鉛筆を握りしめています。
自分でもかなり筆圧が高いなぁ、と思うのですが、案の定右手中指にぽっこり。
固くなった分だけ良いフレーズが書けるようになればいいのだけど・笑。
まだまだ勉強途中なので想い描いた音を完全に再現出来ていないですが、
それでも、自分の中で鳴っている数々の音を一つ、一つ、
真っ白な譜面に落としていくのは楽しいです。

Macを立ち上げてLogicで打ち込んでいけば、鉛筆握るよりも数倍速く書き終える。
考えてみれば15年近く、毎日の様に使用してきたツールであるが故、
ほぼ、この道具を使う事にかけて頭を働かせる事が無いのも当然なのでしょうか。
と言っても全ての機能を使っている訳では無く、今日まで使った事のない機能が
今更必要な機能だとは思えないですけど。

両方の手法で曲を書いてみると、圧倒的に譜面から書いた方が良いのも事実。
なんでだろうなぁ。
やっぱりMacを使う作曲って行き当たりばったりなフレーズが多いのかな。
手書きだと、何度も何度も頭の中で歌っては消し、消しては歌う作業を繰り返します。
こうやって生まれたフレーズは、やっぱり成熟されているってことなのか。
音楽の神様が微笑んでくれると一筆で、って事もありますが、
これが中々の照れ屋さんでしてね、彼女:)


さて、今週中に数点のスコアを書かなければいけません。
既に先週末に書いた曲の手直しと、別解釈のモノを1〜2パターン。
とても幸運な事に、自分がある意味劇伴作家を志す切っ掛けとなった関連作品に
音楽を付けられる、といった大変なお話を頂いたので、朝も夜も譜面を書いています。
具体的な作品名等はまだ明かせませんが、作品に対する想いを綴ったら
本になるんじゃナイノ?と思う程、大好きな作品なのでまたの機会に。
お話を頂いたのが先週金曜日だから、一週間前の自分はまだ知らないんですねー。
何らかの形で皆様へお聴かせ出来る機会が出来るよう、頑張ります。

現時点で、制作者サイドが意図した方向でのアプローチを1点。
ただどちらかと言うと叙情的な色が強い感じに受けるので、
もう少し内面を表しつつ、舞台設定やその世界の歴史を感じ取れるアプローチも
提示してみようかな、と思っています。
既に大まかなフレーズと構成は完成しており、個人的には後者の方が絵にも
ピッタリはまっていると思うので、もう少し整理して説得性を持たせてみようかな、と。

この辺りは、さじ加減が非常に難しいのですが、
次に生み出す曲の主題となるべく、今回は敢えて「オシゴト」と「個人の解釈」を
提示してみようと思います。
制作者の方々はとても作品を丁寧に作る方々なので、作品を通しての意思疎通も大切です。
「トマトソースでパスタ作ってみて」と言われてオーダー通りに作るのは、
お仕事として当然のこと。
でも、春野菜が旬だから菜の花で別のメニューも用意しました、と言うアプローチ。
どちらのお皿も美味しく作らなくては駄目なので大変ですが、楽しいです。
今週半ばで一つの制作が落ち着いたので、今週末はじっくり向き合えます。
今から音楽の神様降ろしをしておかねば!

といっても、神様〜神様〜ってやってる時って、良い曲浮かばないのも不思議。

The Muse visits during composition,not before.
と、映画評論家のRogerEbertが言っていた。

なるほど。
音楽に向かう姿勢が真摯になる程、こちらに微笑んで下さるのですね。
愛い奴。


頂は高く険しい。
近道はせず、一つ一つ音符を紡いでいくとします。